プログラムの紹介

たぬき工房での作業は、個人で行う作業、グループで行う作業、全体で行う作業に分別されています。これらの作業の共通点は、作業の進行方法の予測を立て、確認点を押さえ、体調に合わせて時間配分をすることです。

何事もメモをとり、作業予定を立てながら丁寧に進めていくことを大切にしています。

■革細工の制作

牛革に刻印(模様)を打ち、色を重ねて風合いを出す手法で製作します。

たぬき工房の革細工は、この刻印がまんべんなくレイアウトされているところが特徴です。

革作業では、作業工程のポイントなどを正確に掴みながら、自分の得意な部分や苦手な場面を理解し、ステップアップしていくプロセスをリハビリテーションとして捉え、体調の変化や薬の副作用とうまく付き合いながら作業を行えるよう、支援をしています。

また、出来上がった作品は県内外のイベントで販売し、販売利益を工賃として利用者の皆さんに還元しています。

心の病は意欲や自信を失いがちですが、スタッフとのやりとりの中で仕事の基本となる連絡・相談・報告がスムーズにできるようになると、お客さんとの対面販売でも自信を持って対応できるようになります。作品を作るだけなく、接客、販売実務、生産管理を一通り経験できるところが大きな特徴です。

■染め物製品の制作

タマネギの皮や樹木から抽出した染め液を作り、絞り模様をつけた布製品を製作しています。

これまでエコバック、ハンドタオル、ティッシュカバー、反物などを製作してきました。

自然の草木から作品が生まれることを通して、自然の恵みを実感しています。

鎌足に移転後は、建物の大家さんでもある石井光明さんにご指導いただき、ひのき、くるみなどにも挑戦しています。

■その他のプロラグムについて

 たぬき工房の主たる作業は革細工制作ですが、毎月数回、自立支援や体力増進に繋がるさまざまなプログラムを行っています。

▲調理

グループにわかれてメイン・副菜・デザートまでを作る「本格ランチ」と、早い、安い、うまいがポイントの「簡単ランチ」の2種類の調理を行っています。グループでレシピを見ながら役割分担し、予算立てから会計報告までを一貫して行います。事前に段取りを確認しあうことで調理の基本が身についてくるため、調理初心者の方もいつの間にか10人前のお昼ご飯を作れるまでになります。

▲農作業

たぬき工房より歩いて5分のところに畑を借り、野菜を育てています。農業指導の専門家にご指導いただき、土作りから収穫までの作業を全員で行っています。収穫した野菜は調理メニューに取り入れるだけでなく、法人会員の皆さんや近所の皆さん、関係機関の皆さんにお分けしています。10月下旬に収穫される「丹波 黒の枝豆」は絶品です。農作業を通して体力も向上し、スタッフ、メンバー一同、夏バテ冬バテ知らずになりました。


▲体力増進プロラグム

 定期的にウォーキングを行っています。

 

▲メンバーミーティング

 コミュニケーションスキルの向上を目的とした、メンバー主導のミーティングを行っています。

 イベントやプログラムの企画書の作成から実行までのプラン作りを通し、自分の意見や他のメンバーの意見を集約していくプロセスを大切にしています。ミーティングの多さとメンバー同士の連携の良さは、たぬき工房の特徴でもあります。